恐怖の16分割

 ホテルで健康起床、8時予約の朝食の前に、散歩がてらホテル徒歩10分の「波佐美神社」(ここだけ漢字は「見」ではなく「美」、あるあるですね)をお詣りしてきました。曇天で汗じっとりの湿度、本殿へ上る石段で久しぶりにカタツムリを見ました。

 朝食は、御飯・味噌汁・野菜煮付け・惣菜プレート・生卵・納豆・杏仁豆腐・林檎ジュース、食後に珈琲、とかなりのボリューム。朝食後に荷物をまとめてチェックアウトしたら、有田駅までは送迎の車を出して頂けました。
 運転手さん、話し好き。嘗て波佐見焼きは「有田焼」と一緒くたにして売られていたそう。しかし、平成の食品偽装問題が盛り上がった際に有田の側から差別化を申し渡され、独自の「波佐見焼き」ブランド擁立・普及の努力が始まったのだとか。実際、有田焼と波佐見焼きとは全然違います。運転手さん曰く「あちらは30万石、こちらは4万石。藩が違えば事情が全く違います。あちらは芸術で良くても、こちらは食うや食わず何ですから、大量に作って大量に売るというのが何より大事だったんです」とのこと。「食らわんか」の所以ですね。実際、たった一日のぐるりで何が解った訳でもないとは言え、波佐見焼きは伝統よりもニーズ、生活の中に気持ちよく溶け込む新しいデザインを次々に考え出しているんだなぁ、という印象。中尾山はたどり着くのも登るのも大変でしたが、今は通販で色々な窯の商品が(現地で買うより高いですが)購入できるんですね。

 有田駅では、9時半オープンの「ギャラリー有田」という喫茶店でお茶を(併設のショップで、Hさん母子へのお土産に箸置きを購入しました)。ここは、フロア内にずらり展示されている有田焼のカップ(その数、数千脚!)から好きな物を選んで珈琲が飲めるお店。面白かったです。

 有田→鳥栖→K駅。一旦タクシーで自宅に戻って荷解き・入浴、事務嬢さんへのお土産だけ携えて午後出勤。仕事のノルマは放課後16時からの会議だったのですが、急な事態(大体、碌なことではないです)が出来して流れてしまったので、ただただ事務嬢さんにお土産をお渡しするためだけの出勤になってしまいました。別に良いですけど。

 帰宅後は夕食の準備で、折角だから波佐見焼き尽くしで行こう、と。
 先ずは28cm四方のプレート。右上にはスーパーで購入した鯛刺し1人前をおきます。これで「十六分割」の1/4が埋まりました。今度は、7cm×28cmの長方形皿を下1/4に配置。胡瓜を8枚薄くスライスして、4枚ずつで即席のお皿2つ。その上にそれぞれ蟹味噌・雲丹帆立を少しずつ。他に、余り物のなます・茎若布とを置いたら小鉢4種。続いて、14cm四方のプレート、惣菜屋で購入した瓜のたまり漬け他4種を配置。このプレートは長方形皿の左上に(2枚がL字になるように)並べました。これで、残るスペースは7cm×14cmが2箇所(14cm四方のプレートの上部に1箇所、鯛刺しの下部に1箇所)。どちらにも豆皿を2つずつ横並びにして、惣菜屋の惣菜を3種類、後1枚には鯛刺し用の醤油を。
 他に、冷奴を作ってこれは「一真」のブルースプレッドボウルに。「太一窯」のお茶碗には、小さめ(1把50g分)の煮麺を作って入れました。ビアグラス・日本酒タンブラー・焼酎グラス、そして箸置きも波佐見焼き。今日の食器で波佐見焼きでは無いものは、お箸とコースターとだけです。

 6/18の「自粛御膳」。
 煮麺・鯛刺し・冷奴・小鉢11種。
 379蔵目・福岡「池亀」(純米酒)。
 全ての食器を旅行土産にした代わりに、日本酒は「やっぱり家がいちばんね」的な蔵を、灯台もと暗しで初体験です。近所のスーパーで4合瓶1000円弱という値段で投げ売りされていたやつなんですが……これが結構美味しい。名前の中に「池」が入っているからではありませんが、この甘口は前のめりに好きかも(★★★★)。