一千万を越えていて

 福岡国際会議場メインホールでのコンサート2公演。11/20(土)の折坂悠太、12/24(金)の清水ミチコ、両方とも当選して入金まで完了。生きる勇気が湧いてきました。前者は特講無しの日で後者は冬休み、疚しさゼロで堂々の単身参戦、楽しみです。みっちゃんは「作曲法スペシャル」だそうで、折坂さんは3年ぶりの2ndアルバム『心理』のレコ発。

 姜尚美『京都の中華』読了、★★★★★。一度は食べたいからしそば。京都の町中華独特の(店と客との醸す)雰囲気はどのような歴史的背景から醸成されたのか、を店への聞き取り・文献調査両面から丁寧に。グルメガイドではなく歴史書、或いは民俗学的な書、なのでしょうがそれでも取材された店の中には「ここに行きたい!」という魅力的なところが沢山。

 通常出勤、高3現代文添削。明日は大雨の警報が出ており高3生が出校禁止になるそうで、そうなると土日のお盆休みと合わせて暫く学校内が生徒無人になるんですね(添削の提出が無くなるということ)。明日・明後日は私も自宅に籠ろうかなぁ。
 机仕事。時間割変更案作成、授業・特講プリント準備。

 8/12は「自粛御膳」お呼ばれ編@事務嬢さん家。キッチン・リビングがそのまま居酒屋なご自宅(ジョッキもビールも冷凍庫でキンキン!)で4時間。事務嬢さんもパートナー氏も私も無類の酒好きなので、ず〜っと飲みっ放しでペースが落ちませんが、料理を食べる勢いは確実に以前よりも減退しています。トマトサラダ・前菜用のマグロ柵、冷や汁を準備して差し入れたんですが、料理が多過ぎて冷や汁にはとうとう辿り着かずでした。
 前菜7種・鮪カマ焼き・揚げ鉄板焼手羽先。
 408蔵目・新潟「鮎政宗」(特別本醸造)。
 409蔵目・山口「長門峡」(純米無濾過)。

 既に書いたことがありますが、事務嬢さんは、私の命の恩人です。
 10年程前まで、私は本と酒とに有り金の全部を使うことを当たり前だと(というか今でも基本的にはそう)思っていて、言葉そのままの意味で「宵越しの金は持たぬ」人間でした(本は月に10万円までと決めていましたが、守れたり守れなかったりでした)。ある日、事務嬢さんと何気なくお金について喋っていて、30を過ぎた私が本当に貯金ゼロだと知った彼女は驚愕なさいます(なかなか信じて下さらないので、証拠に通帳をお見せしました)。
 そして、その日の昼休みに私を強引に私の自宅近くの福銀に連れて行き、その場で私が所有しているのとは別の新しい通帳を作らせたのです。「この通帳とカードと、私が預かりますから」
 事務ですので、私の収入については知悉しておいでの事務嬢さん、「今日はお給料日ですね」「今日はボーナス、今年は給料のXヶ月分ですね」「今日は部活手当が(←細かい)」と私に静かに迫り、その内の一定の金額を貯金させます(その振り込みの時にだけ、通帳とカードとを返して頂けます)。いつしか私はそれを「事務員さん預金」と呼んでいました。本と酒とに金を使う生活は変わりませんでしたので、突然の冠婚葬祭などでどうしても余分な出費が要る時は、用途を詳述した上で事務嬢さんの許可のもとで引き出しをするという流れでした。「あの、これ、僕のお金なんですよね?」「時が来るまでは先生のお金であって先生のお金ではありません」
 2年程前に「時が来」ました。指示通りに貯金していたら、いつの間にか預金額が1000万円に到達していたのです。フィクション以外で初めて「もう教えることは何もない」という台詞を聞きました。「では、通帳とカードと、先生にお返しします」「じゃあ、早速ここから少し下ろしてお祝いしましょうか」「ほんとに殴りますよ?」
 以降、「事務員さん預金」は目減りすることなく、以前と同じように少しずつ残高を増やしています。事務嬢さん、ご自分のご家庭の経営をしつつ、私の行動人格の調教師を務めて下さったんですね。無償で。
 だから彼女は、命の恩人です。