帰ろォよ あの音の中へ なつかしい

 卒業生の誰かといつかのサシ飲み、最初に届いた刺盛りを前に。
 私「えっと、栄螺と蛸とサーモンは要らないから、全部食べて」
 卒「嫌いなんですか?」
 私「別に。ただ、貝と蛸とサーモンって、グループに一人は滅茶滅茶好きな人が居るでしょ? そういう人にあげた方が座の幸せ度が上がるじゃん。だから、僕が食べるよりそういう人に回そうと努めてたらなんか癖になった」
 卒「それなら、その烏賊もそうじゃないです?」
 私「烏賊は僕が滅茶滅茶好きなの」
 卒「あげましょうか?」
 私「えっ……と、いや、半分ずつでいい」
 卒「欲しそう過ぎるでしょ」
 私「大人ぶらせて。いや、ここの烏賊、マジで旨いから」
 ……思い出した、63回生Eくんと博多「太郎源」だわ。飲み会の想い出で独酌が進むってどんなマッチポンプだよ、と。あ~あ、集まって飲みたいなぁ。

 さて、明日からは後期課外授業、準備作業は全て終わっているので今日は学校に行くつもりはなく、夏の最後に南中正午から「かしゃぷしゅ~」すべく、3時に起床して10時半まで書斎で机仕事をしました。準備調え、いざ「だくれる」ぜっ!

 8/22の「自粛ランチセット」。
 牛肉エリンギ焼き浸し・ゴーヤツナ和え2種・鰯明太・小鉢3種。
 419蔵目・三重「天下錦」(純米吟醸 おりがらみ)。
 鰯明太は昨日飲んだ63回生我ら文系A組Iくんから。彼自身は鰯が食べられないそうなんですが、自分が食べられないものを食べられる人に贈りたい(あげたい)気持ち、前述の通り、これは私にはよく分かります。
 基本的には読書独酌。途中、ふと『アタック25』をとTVを点けたら『新婚さん~』とのコラボらしく司会の2人も出演していたんですが、桂文枝の老い方が甚だしくて一瞬目を疑ってしまいました。

 3時間弱ゆっくり飲んでから入浴、書斎で2時間ほど書き物。再びの読書独酌は「自粛なんたら」という名前をつけるのも憚られる雑なおつまみ(市販の枝豆豆腐と惣菜屋の牛タン塩レモン)なんですが、波佐見焼の器に入れるだけで小さく魔法がかかるのが不思議(単に酔いちゃくれた果ての勘違いかもしれませんが、幸せ)。

 近田春夫筒美京平 大ヒットメーカーの秘密』読了、★★★★。いつの間にか『考えるヒット』が連載終了していたと知ったのは最近。だから分厚い自伝なんて出せたのね、と思っていたら今度は師匠(?)論を新書にて。筒美氏はなにしろ自称「職業作曲家」で自身がメディアに出ず、これまでの筒美論は殆どが作品論で語り手はすぎやまこういち松本隆等々共同制作者に偏っていた訳ですが、この本は筒美京平(というよりペンネームを剥がした本人)の人物を語って微細入り穿ち。流石は公(というより)私に親しかった近田氏で、インタビュー相手3人の中に筒美氏の実弟・渡辺忠孝氏が居る所などツボ。
 筒美京平は作曲家としてシングルを7560万枚売り上げていてこれは日本一だそう(2位は小室哲哉の7184万枚)。ただ、じゃあミリオンシングルはというと実は3曲「しか」ないんですね。60年代・70年代・80年代に1曲ずつ。これは意外、不勉強でした。