も~ しんどいこれ~

 誘われてないのに「見送り」というのはメディアの悪意(あれ、善意?)なんでしょうけれども、痴漢に「いらっしゃる」というのは結構なインパクトですね。アナウンスの内容もあれでしたし、山田Amyが言葉尻エッセイを続けているんだったら真っ先に取り上げるんじゃないかな。

 昨日の日記に少し書きましたが、コロナ以降の最も大きな人生の変化は、「公」なら年休濫費に罪悪感が伴わなくなったこと、「私」なら焼き物探訪独り旅を繰り返しつつ自炊を開始したこと。本日は、授業・特講とも無し(高3が外部模試受験のため)なので一日年休を取りました。
 西鉄K駅隣のホテル「E」の朝食バイキングは宿泊客以外にも開放、900円で美味しいモーニングが食べられます。作りたてを運んできてもらえるエッグベネディクト、バイキングコーナーからはサラダ、和洋の惣菜、朝カレーにデザートのブルーベリーヨーグルト。ドリンクは、ドリンクバーから炭酸水を。7時オープン一番乗り、窓際の席でゆったりと本を読みながら(食後の珈琲まで合わせて1時間の滞在)。取りに行くたびにビニール手袋を付けなくてはならない面倒にも慣れてきました。二番目以降の客が軒並み禿頭の方、所作でお坊さんの団体が宿泊していたというのが直ぐに解りました。ご本人たちはコロナを気遣ってひそひそ話のおつもりなんでしょうが、基本的に声はデカい。

 西鉄の急行電車で天神に出て、バスで赤坂方面へ向かいます。今日の目的地は美術館と映画館という館2軒のはしごで、前者は開場9時の前に到着が必須の「大作戦」バージョンです。
 「福岡市美術館」には開館20分前に到着したら一番乗り、幾ら平日とは言えみんな大好き『鳥獣戯画』で一番は意外だったものの嬉しく。特別展『国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術』を鑑賞しました。10分前の開館だったので待ったのは10分だけ(その後は、館内でチケットを購入して展示室前で待機)。開場時には私を先頭に15人の列で、入場後は即座に順路中央にある『鳥獣戯画』に直進し、後続が来るまで10分間は現在展示中の「甲巻」「丁巻」(どちらも部分抜粋。会期中展示替えあり)を独占鑑賞出来ました(私同様に「牛歩回避本丸突撃」の作戦をとったらしき女性2人組が来るまで)。
 他にも、いかにもSNSでバズりそうな(知らんけど)円山応挙の犬だとか、個人的にお気に入りの仙厓義梵の諸作だとか、会場中が「らうたし」の大渋滞です。開場40分後にはどの作品の前にも1人は鑑賞者が居るという人出になり(この時点で『鳥獣戯画』は10分程並ぶ必要が生じていました)、観光客なのか在住者なのかヨーロッパの方も3人ほど(コロナ禍以降の美術館では日本人しか見ていないので「おっ」と思いました)。

 一時間ほど鑑賞してから美術館を出て、地下鉄移動の目的地は「中州大洋シネマ」。ここで映画を観るのは、まっぴぃオススメのタイBL『2gether THE MOVIE』以来でおよそ1年ぶり。主演の木村文乃さんがちょこっとワイドショーを飾った映画『LOVE LIFE』が上映されているのは県内ではここだけなのです。監督のことは全く知らず、ただただ矢野顕子さんのファンなので。
 映画『LOVE LIFE』、★★★。インスパイア元の矢野顕子「LOVE LIFE」(1991年)の歌詞は非常に抽象的なので、物語の「具体」がどんなものであっても包み込めるのでしょうが、個人的には「この曲がこうなっちゃうの?」という違和が先行(私は私でこの曲への思い入れは極端に強い方なので)。ために、挿入歌の「世界はゴーネクスト」だったり登場人物が「猫と暮らしている」シーンを推したりなどの矢野さんオマージュ小ネタも却って浮いて見えちゃったり。ですが、ここまで狭量な観客にすらあ~まで「しんどい」が連打されるストーリーを途中で投げ出させなかった(私の視点から言えば結局最後までついて行かされてしまった)のは作り手の力なんだろうなぁ、と。あと、死ぬほど嫌な感想を言うと、序盤のあるシーンで「坂本龍一の父親が矢野顕子に『中古品』と吐き捨てる図」を想像してちょっと顔が歪みました。冬のライブ(久々の福岡!)で「LOVE LIFE」が歌われたら本当に嬉しい。
 因みにこの劇場、4階までの上り下りに階段を使うと、「懐かし面白」なクイズを見られます。映画の制作・配給会社のエンターテイメントマーク、「おぼえていますか?」というもの。

 歩いて西鉄福岡方面に向かい、駅を通り過ぎて久々の「ジュンク堂」へ。途中、卒業生(大学生)とすれ違って会釈をしたら態々走って追いかけて挨拶をされました。礼儀正しい。自分が不良(サボり)なもんだからつい「あれ、大学は?」と聞いてしまい「夏休みです」と返されたのには間が抜けました。「ジュンク堂」は不作でも豊作でもなく、諭吉2枚とお別れ。

 9/14の「自粛御膳」。
 小鉢3種~豚コマ炒め~イカ納豆~土鍋ごはん。
 605蔵目・富山「黒部峡」(純米吟醸 55)。
 スーパー市販のものですが下仁田納豆を初体験。経木包みの雰囲気も良かったですが、何よりとことん「大粒」だったのが嬉しかった。納豆は大粒。極小粒だとかひき割りだとかを複数種類揃えることに対して文句は言わないから、せめて1・2種類は大粒を棚に残しといてくれ、と総てのスーパーに言いたい。