Now is on 今を愛そう 求め合える瞬間を

 本日から、6泊7日の旅行。先ず、初日の今夜は佐賀泊でユーミンの50周年ツアーに参戦。そして、明日から4泊は恒例の上京で56・63・67・70回生、及びTQC同期に付き合ってもらいつつ、呑む食う観る買う読む歌う予定(展覧会についてはまっぴぃ師から種々情報をGET、多謝)。最後の1泊は山口、折坂悠太の独奏を聴きに。今夏別乾坤!

 さて、何度か書いてますが、私、K市名物の豆腐料理「梅の花」については、小6の頃から独りで通っている30年選手です。随分前に閉店しましたが、北九州市小倉北区、魚町の雑居ビルに「梅の花 小倉店」という実店舗がありまして、長期休みのお昼には1日おきにそこに通っていたんですね。昼食代として渡されたのが毎日500円、当時は最も安いランチが800円とかだったので、2日分のお小遣いで食べられました。
 今じゃ一番安い「梅ランチ」でも2000円なんですよねぇ、としげしげメニューを見る私。但し、本日日曜日はランチがお休みなので、旅行前の昼食はK市本店で単品注文という贅沢と決め込みました。豆腐サラダと湯豆腐とはハーフサイズが注文可能、季節の一品料理は鰻ざく、最後に豆腐グラタン。夜のライブを万全のコンディションで迎えるために、勿論お茶だけでお酒は無し……を貫いたら、帰り際に伝票を持ってきて下さったお運びの店員さんに「今日は?まれなかったですね」と微笑まれて、あぁやっぱ昼酒ヘドロ客認定されてんだなぁ、と。小6の無垢から30年、思えば遠くへ来たもんだ。

 K市から佐賀駅までは西鉄バスで1時間強。車窓を眺めながら藤井風1st、オツカル様とのカラオケに備えます。到着した佐賀駅構内のお土産コーナーを軽く素見してましたら、「ユーミンファンのみなさま ようこそ佐賀へ 50th ANNIVERSARY」と、店員さん入魂の素敵なポップ(というかポスター)が目について嬉しくなります。佐賀挙げてファン(特需?)を歓迎して下さるとはと思わず写メ……だったんですが、文字も絵も見事なクオリティのその作品に一点の違和感、何がかと言えば描かれたユーミンのイメージがだいぶ「古い」。バブルメイクにソバージュヘアーのそのお姿は、まさにポップに書かれた「ANNIVERSARY」がヒットした90年くらいのやつじゃない? と思って調べてみたら、ユーミンの佐賀でのライブは何と『DAWN PURPLE』以来実に32年ぶりなんだそうです。だったら、これで合ってますね。
 先ずは駅徒歩5分のホテル、名前をGoogleで検索したら続く予測候補に「××ホテル 飛び降り」とかいう恐ろしいフレーズが出てくる格安シティホテルのフロントに荷物を預けました。15時チェックインまでは2時間ありますので観光の後にチェックインをします、と話したら「今日はライブですので、チェックイン15時はだいぶ混み合うと思います、あい済みません」と言われました。嬉しい。

 「佐賀県立美術館」の特別展『魔法の美術館』へ。鑑賞者が作品の一部として「参加」出来るという映像作品が15ブースで、これは完全に夏休みのお子様向けの企画。全て写メOKでしたが、どうやたって「余所の子」が写り込んでしまうので撮影は諦めました。
 代わりに、常設の岡田三郎助コーナーでは人物の顔を接写しまくり。『矢調べ』は以前から特にお気に入りの作品なのですが、そこに描かれたお爺さんやその他作品の女性陣など、私は彼が描く人物の「顔」が表情といいタッチといいとても好きなんです。

 15時チェックイン、確かにフロントに行列で部屋に入れたのは15時20分、入浴、着替えて出発、駅中の喫茶店で休憩、駅北口徒歩15分の「SAGAアリーナ」までは徒歩移動、同じ道を行く人の流れに乗って。8400人収容のホール、2daysは勿論両日ソールド・アウトです。

 2023/07/30、松任谷由実50周年ツアー『THE JOURNEY』@佐賀アリーナ。数え歳古希の推しの「完璧」を、目と耳とに刻みこんで来ました。
 01.心のまま 02.WANDERERS 03.リフレインが叫んでる 04.ただわけもなく 05.満月のフォーチューン 06.TYPHOON 07.青いエアメイル 08.紅雀 09.あの日に帰りたい 10.さまよいの果て波は寄せる 11.セイレーン 12.Blue Planet 13.Delphine 14.Love Wars 15.Now Is On 16.星空の誘惑 17.埠頭を渡る風 18.真夏の夜の夢 19.航海日誌 EC1.守ってあげたい EC2.やさしさに包まれたなら EC3.春よ、来い DC.瞳を閉じて
 「海賊船」というコンセプト以外、セットリストその他に関する情報は完全にシャットアウトするつもりで今日まで色々な誘惑に耐えてきました(それでも、01・03・14・17・18・EC2は芸能ニュースで流れてきました)。そして、「海賊船」で1曲目が「心のまま」ということは、21世紀初頭に終了した「SURF & SNOW in NAEBA」を想起させるようなセットリストにするつもりかな、というのが想像できます。その状態で4曲目が「ただわけもなく」だったとしたら、長いファンはその後に続いて「TYPHOON」(正解)・「人魚になりたい」(不正解)・「セイレーン」(正解)・「Blue Planet」(正解)・「稲妻の少女」(不正解)・「Delphine」(正解)・「灼けたアイドル」(不正解)・「航海日誌」(正解)あたりが演奏されることを直ぐに了解します。意外だった曲は「紅雀」「あの日に帰りたい」「Now Is On」あたりで、特にこのタイミングで「Now Is On」が歌われた意味をどう了解するべきかは人によって方向性が分れそうですね(私はポジティブなメッセージだと受け取りました)。
 そして、「佐賀県が32年ぶりと思ったら終わるのが悲しくて」と、隣県長崎に因んだ曲でダブルコールのサービスがありました。実は、今回の座席はセンターステージへのアーティストの入退場動線すぐそばで、手を伸ばせば触れられる距離でユーミンの顔を見ることが出来たのですが、アンコール後の退場で既に感泣してらっしゃいました(絶対DCがある! と確信出来ました)。そして、「瞳を閉じて」(ワンハーフ歌唱)の後の「また来ます!」の言を違える方では決してないということをファン歴30年の私は知っているのです。

 客席退場スムーズ。すっかり暗くなった帰り道を駅に向けて早足で移動しながら、先程までの「完璧」を反芻します。「完璧」……とは言いながら、本当は「青いエアメイル」の2番の歌詞「声もかけれぬほど」のら抜き言葉には毎回毎回どうしてもモヤってしまうんです。ただ、周年ライブに気づけば清水ミチコグッズのトートバッグで参戦していたウツケですからね、どの口が言ってんだ、って感じですね。

 独り打ち上げは初訪問の人気店「恵水産」にて。店内BGMはユーミンオンリー、ライブ特需の予約満席です(ノーリザーブが何組も何組も断られていました)。周りの客は殆ど全員が「同担」で初対面でも話は弾みます。今夜のライブにそれぞれの「歴」を重ねて大盛り上がりでした。刺し盛、鯛カマ焼き、嬉野温泉湯豆腐。どれも美味しくて、未踏破の蔵も1つ。
 703蔵目・佐賀「宮の松」(純米酒七割磨き 火入)。