チンカチンカのしゃっこい

 なぎら健壱『日本フォーク私的大全』読了、★★★★★。著者が忌野清志郎の自宅に電話をかけたら対応した母親に「息子の帰りが遅いのはあなたのせいか?(大意)」と詰められた、という話を清志郎に伝えたらはにかみがちな苦笑いだった、という挿話がとても好き(清志郎の表情が目に浮かぶようです)。休みの国がもっと精力的に活動していたら日本の音楽は「はっぴぃえんど史観」(←これはスージー鈴木の用語)に支配されることはなかったかも、なんて刺激的な記述も。著者が保存していた膨大な量の日記・メモ・スクラップ、そして記憶力が活きた好著です。章立てとして取り上げられた16人(組)だけでなく、彼らとくっついたり離れたりしながら活動をしていた大勢のミュージシャンたちの、当事者だから書ける些事大事が怒濤。巻末の年表も圧巻でした。

 今夜はお燗チャレンジ、ですので朝の内にセラーから「呉春」を取り出してから出勤、常温に戻しておきます。居間ののテーブルに(購入してから3年間放置していた)熱燗器もセッティング済み。コロナ直後に続々と出てきたクラファンサイトの一つで購入した……ような記憶(あの当時は熱に浮かされていたようで記憶が曖昧です)。常温のお酒を能作の鈴の器に入れて機械の上にセッティング、ボタン一つで冷酒にも熱燗にも、というシンプルな構造のやつです。温度設定は出来ないですが、大体何分で何度になりますよ、みたいな表がついてました。あれだったら(ハマったら)、熱燗温度計を買ってもいいですね。

 8時半ギリギリに出勤、今日は高3の現代文が5クラス5コマですが、テスト演習(評論・小説を合わせて45分で解かせる)だけなので私の仕事はほぼ無く、授業の号令(働かない人間への礼の強制)は厳禁。主な仕事は、センター100点分の○×をつけるだけ(マークシートではなく、紙に番号を書かせる解答方式にしました)。

 夜は、朝から準備した熱燗器でお燗チャレンジ。おでんを肴に、徐々に温度が変わっていく(上がっていく)「呉春」をちびりちびり。事務嬢さんから頂いた上京土産、「銀座若菜」の和風キムチは常温を併せてみました。筋金入りの冷酒好き、初日の感想は「冷酒で良くない?」でしたが、続けてたらいつか目覚める日は来るのでしょうか。