財布は厚いが 常識うすい

 リュウジおにいさんのファンとしてはどうよという思いもないではありませんが、何しろこっちの方がファンになってからの期間が長いので否定しようもない。何のことかと言えば『美味しんぼ』の話で、私、特にアニメ版が大好物なんです。現在、オフィシャルで無料公開されているアニメ、居間で酔いが極まった時にたまに観ています。無料公開されている話数に制限があり、「あの話はあるかな~」と検索してヒットしたりしなかったりするところから既に楽しい。先日は、「ペンションの名物」(京田尚子が美味しいほうとうを作る話)が観られず、代わりに「新妻の手料理」(島本須美の手料理を塩屋浩三が食べてくれない話)を観ました。30年前の作品だから、声優も豪華(私がよく知っているベテラン勢がゲストに沢山)です。
 20歳年下の教え子、67回生Nくん(現在在福岡、記者1年目)も『美味しんぼ』のアニメにどハマりしているそう。彼がまだ生まれる前のアニメに今夢中になっている理由は、30年前と今との報道業界の(というか日本の)経済力や文化の違いを見せつけられるのがたまらないからなのだとか。若者には古いアニメが歴史教育なんですね。何にせよ、近年一部界隈で再評価著しい「Dang Dang 気になる!」が大勢の人の耳に入るのは大変良いことかと思います(個人的には、オープニング曲は初代の「YOU」の方が好きなんですけど)。

 本日、大阪日帰り旅行です。目的は14時開演の演劇(上映時間110分)だけで、高3二次試験添削業務の最中であること、大阪には出来るだけお金を落としたくないこと、の2点を理由に弾丸を決定。新大阪13時着の後は、移動・観劇各2時間ずつ計4時間の滞在、終演1時間後の17時には帰福の新幹線に乗っています。

 六ツ門のカフェ「N」は朝食のお気に入り。自宅からタクシーで移動し、BLTサンドとコーヒー2杯との朝食をゆっくりと。カフェからJRまでは歩いて移動し、K駅を10時4分に出る新幹線で新大阪へ向かいました。みどりの窓口で切符を買う際、指定席の窓側が空いていない(スマホの充電が6%しかないのに!)と言われたのにはちょっと焦りましたが、博多まで20分弱を我慢したら自由席の乗客がごそっと降りるはずという読みが当たって事なきを得ました。
 車内では読書とスマホゲームと。きたやまおさむ『「むなしさ」の味わい方』読了、★★★。「悲しくてやりきれない」を唄い「風」を作詞した人の説く「むなしさ」ですから相当期待したのですが、この本は正直あんまりピンと来ませんでした(専門領域に関わる記述にそんなに惹かれなかったのです)。鴨居玲の絵が引用されていたのが嬉しかったり、加藤和彦についてのやりきれなさの独白が重たかったり。

 目的の駅は森ノ宮、駅前風景に既視感がと思い返して、今日の「森ノ宮ピロティホール」で、12年前に『8人の女たち』(浅野温子・荻野目慶子・加賀まりこ大地真央戸田恵子・マイコ・牧瀬里穂南沢奈央)を観ていたのを思い出しました。
 観劇したのは『大誘拐~四人で大スペクタクル~』。出演は、中山優馬風間杜夫柴田理恵白石加代子白石加代子さんの舞台は、行ける限り行っておきたい。
 朗読1/2、演劇1/2、時に役柄を離れた俳優本人に戻ってトーク……とこれは完全に白石さんのライフワーク『百物語』を意識して作ってますよね、流石に。数々の役を4人で演じ分けながら、あの長編(近々再読しよう)を110分で見事にまとめました。因みに、劇中、中山優馬がデビュー曲「Missing Piece」を踊る(白石加代子の曲紹介で!)というサービスもあり。12年前の8人8役も観応えがありましたが、今日の4人100(←盛りました)役もかなり。
 行きの新幹線車内で劇場のHPを開いて客席数が1080なのを知り、「F校の定員(中学480・高校600)と全く同じじゃん、親近感~」とか呑気に思ってたんですけど、その規模の会場の前方良席で中山優馬が持ち歌を踊る(多分、歌は口パクだったんじゃないかな)のを観るというのは、実はなかなかな体験だったのでは、と帰りの新幹線で。

 大阪ではお金を落とさないと言いながら、帰りの駅でうどんのお土産を購入しています。胃潰瘍から退院でお店に復帰した「もりき」マスター、お酒は当分だめでしょうが、これなら。
 JRのK駅からタクシーで店に直接。お土産をお渡ししてから、適当な肴を出してもらいビールと日本酒と。復帰から暫くは鴨料理の予約以外受け付けないそうですが、今夜は事前に連絡して特別にカウンターに座らせてもらいました(だから肴は有り物を完全にお任せです)。小上がり団体さんの幹事は、一度か二度お店でお会いしたことのあるF高の先輩でした。
 カウンターで鴨料理の男性2人組は、雰囲気だけでも「食べログルメ」さんだと察し得る方々。伊万里「katecuore」で5時間12万円の体験をしたとか嬉々として語ってました。「食べログ」でここの鴨料理を褒めたK・Yさん(教え子のお父様でF校の先輩)の記事を見て来店したのでしょう。マスターに、鴨のこんな料理をコースに加えたら更に「進化」する、とか言ってたのが余りに「っぽい」ので面白かったです(令和の『美味しんぼ』っぽい記述で首尾照応?)。