低み

 職場で飲み会の幹事をよく担う理由の(メインではない)一つに、「代表してカードで払った後に参加者から現金を徴収すると一時的に儲けたという幻想に浸れる」というマインド・トリックの醍醐味があるんですけれど、それを私が愛してやまないRHYMESTER界隈では「金増え」と呼んで楽しんでいるという宇多丸さんの発言を読んで感動しました。

 ヴァージニア二等兵異世界居酒屋「のぶ」(9)』読了、★★★★★。安定の面白さ。行きつけ(私の場合は「もりき」など)に行って安心するのと同じような読書ですね。
 影山理一『奇異太郎少年の妖怪絵日記 拾壱』読了、★★★。ギャグは好きなんですけど、正直お色気要素は要らないと思う(それが無かったら世界観が変わっちゃうレベルの要素ではあるんですが)。
 内田樹『生きづらさについて考える』読了、★★★★。単著については段々DJリミックス状態になってきてて、それはそれで面白いんですけれども、新しい鉱脈については例えば悩み相談とか対談鼎談座談のように他者との創発に期待した方が良いかなぁ、と。新曲がコンスタントだしエネルギーは衰えるどころかどんどん増していってるので完全には対応しないんですけど、矢野アッコちゃんの活動と似てるかな。

 11時、約束通りの時刻にS寺を訪問。準備していた書類(住民票や火葬・埋葬許可証)をお見せして、必要書類にサイン捺印の後、料金の40万円をお支払い。袈裟を着た方がお札を数える姿にはちょっとした違和感がありますね(偏見でしょうが)。石屋さんとの打ち合わせも兼ねる予定だったのですが、先方の都合で急遽来られなくなったということ。私は基本的に毎日学校に出ますのでいつでも良いのですが、その場で和尚さんが電話連絡をしてくださり、明日の9時にS寺でお会いすることになりました。

 さて、黄檗宗ではない私及び母君と、S寺にご縁が生まれてしまいました。そこで、ある程度予想はしていたのですが、折角のご縁なので、「その時」が来たらS寺でお経だけでもあげませんか、というご提案が和尚さんから。通夜葬儀一切無用と仰る母君ですが、新しいご縁を大切にしたいというのも道理でして。詳しくは、介護施設「I」と契約を結んでいるS葬儀社との打ち合わせ次第ということになるのでしょうが、イメージでは棺桶をお寺に運び込み、お堂の一室でお経を上げて頂いたあと、火葬場に棺桶を運ぶ、という流れ。
 今時葬儀場ではなくお寺でお経を上げるなどということがあるのでしょうか? と伺ったらS寺でも(少なくとも当代のご住職になってからは)行ったことがないということ。思わず「ですよねぇ」と言ってしまったのですが、「道具は全部揃っているんですけれども」と。まぁねぇ。母君のお申し付けは、要するに肉親・職場の関係者に時間や金を使わせるなということなのですから、誰にも知らせずに私一人で読経に立ち会うというのはありかなぁ、でも絶対それじゃ許してくれない柵(しがらみ)が出てくるよねぇ、とか色々思うのですが、何より私は看取りも弔いもやったことがないから何一つ想像もつきません。取り敢えず和尚さんには「何をどうすることになっても、とにかく『こぢんまり』でお願いすることになるかと思います」とか訳の分からないことを言ってからお暇をしました。

 11時半にお寺を出た瞬間に介護施設「I」から電話があり、往診のS先生からご家族にお話がという旨、そのまま自転車で自宅に戻り、タクシーで「I」に到着。
 担当医・看護師2人・ケアマネ・介護士・私、でずらりベッドを取り囲み、静かな寝息の母君を起こさないように病状報告。結論としては「癌以外は健康、静かに老いてソフトランディングの最中」ということです。例えば人工呼吸器をつけたりとかいう延命治療はしないことを(これは常々母君も仰っていたので)改めて確認し、上手に着陸出来るよう手を尽くすこというお言葉を頂戴しました。
 22日から23日の1泊で宮崎に「出張」することを施設の方にお伝え。

 タクシーで市内の回転寿司「S」に出て昼食。ビールも少々。30分弱歩いて自宅、に戻らずそのまま15分歩いて近所のH小学校へ。年に一度開催されるH町内会のお祭りに「もりき」が出店を出しているのを素見しに。子ども中心のお祭り(ステージではダンサーが元気に「パプリカ」を踊っています)なので、日本酒におでんはあんまり売れないだろうに、とは思うのですが町内会長から請われて毎年出店を続けているんですね。飲み比べで日本酒を2杯買いましたが、さっきビールを飲んでたのもあって1杯でギブ。残りは、同じく遊びに来ていた(常連組の中では数少ない年下の)Kくんにあげました。
 徒歩で帰宅、入浴後にお昼寝、昏々。

 17時に起き出してから書斎で書き物。18時過ぎに「もりき」に立ち寄ったら既に打ち上げ闌、2時間弱交じってから帰宅、録画番組を幾つか消化してから22時に就寝。