Because it's there.

 ネットで読んだ『現代ビジネス』の記事、書き手は傑作『若者殺しの時代』(講談社現代新書)以来ずっとファンを続けているホリケン(堀井憲一郎)氏。大学入試国語について書かれた文章で、その定義が見事に纏められていました。以下、抜粋。
 【著者の考えは「遠い風景」である。遠いところに置いてある「ばかでかい絵」を描いた人と考えてもいい/遠くに絵があって、それより近い場所に出題者がいて、その風景を(ばかでかい絵画を)勝手に切り取って、その一部分だけを見せる。出題者は意図をもって切り取り、一部分しか見せてくれない/そして「何が見えますか」と聞いてくるのだ/これが読解問題である/もともとの遠い風景(ばかでかい絵画)を描いた人のことも意識しないわけではないが、大事なのはその中間に立って「風景(絵)を切り取ってる人」であり、その切り取りの意図である。そっちをまず強く意識しないといけない】(抜粋ここまで)

 7時半の通常出勤、始業式は短く、その後に冬休みの課題テスト(英語の監督業務有り)。課題テストは2日に分かれ、私も古文30点分を出題した国語は明日の1限に行われます。

 気分一新心機一転、今日が3学期の出だしなんですが、私、今週末にいきなり旅行に出ます。具体的には、11日(土)の昼から、2泊3日で京都です。11日(土)の夜は、67回生Yくん・Mさん(私が担任を務めた高1A出身で、今は二人とも京大一年生)と夕食。12日(日)は終日フリーで、13日(月)は大阪に移動して新歌舞伎座五木ひろし坂本冬美(一応、これが主目的の旅行です)。センター試験終了の日まで高3の授業がない(生徒はセンタープレという実践形式のテスト会に参加する)エアポケットを利用した日程です。

 今日は今年初めての居酒屋「A」へ。8日くらいだと「あけまして~」がまだ通用するでしょうか(今年の私は喪中なので言えないのですが)。「A」もマスターがメニューの我が儘を聞いてくれるお店で、私は毎回和風のスパゲッティ(お任せ)を、汁気を一切飛ばしたパッサパサの状態で作ってもらうのが恒例になっています。その、パッサパサのスパゲッティ(醤油味、美味)を食べながら、ふと私がクイズ研究会出身だという話に。マスターは『東大王』をご覧になったことがあるらしく、私があそこに出てくるような綺羅星と同じカテゴリの人間だと見事に誤解なさる。
 私「あれはですね、才能センス外見全部が別格の人たちなんです。今は時代が違うんです。昔はクイ研なんてオタクの巣窟みたいな扱いだったんですから」
 マ「でも、先生も色んなのを覚えたんでしょう? 高い山とか(←何で皆こうなるんですかね?)」
 私「そりゃ少しは……」
 マ「でしょう? やっぱり凄いですよ、僕なんて全然覚えられませんもん」
 私「でも、僕、美味しいパッサパサの醤油パスタ、作れないですよ?」
 マ「いやいや、パスタより山でしょう!」
 私「山でしょう! って言われても」
 と、隣に立つバイトの女子大生Rさんに、
 私「世界の高い山ベスト10が言える人間と、美味しいパッサパサの醤油パスタが作れる人間、さぁ、どっち?」
 R「こっち!」
 間、髪を入れず。人を指さしてはいけないという一点を除けば、Rさん、空気的にも立場的にも完璧なこなしで素敵でした。