繰り返すだけ不毛だ お前なんて

 2学期2日目、授業は高2現代文が1コマ。高3理系漢文特講が1コマ。漢文特講は2002年理系(当時は、まだ文系と理系との本文が別物でした)。壁に掛かった大弓の影が蛇の形となって酒の鏡に映った盃を干した役人が、腹中の蛇に祟られているという妄想で病気になる話。この教材に関しては、日本語の「おそれ」の2種について話したり、「百聞不如一見」についてかつてのF中学の入試問題の逸話を(話せる範囲で)紹介したり、割とトークが盛り上がるんですよね。やってて楽しい。
 特講の後は職員室で19時まで添削(5割方終了)、タクシーで小料理屋「A」に向かいました。

 前回の飲み会の約束がF校の事情で流れた63回生我らA組文系Iくんと、20日(木)の夜にリベンジ飲み会をしようという話になり、何を食べたいか訊ねたら「美味しい和食、但し揚げ物NG」という若さに似合わぬリクエスト。和食なら絶対「G」なんですけれども月替わりのメニューの8月は私が既に経験済みなので避けたく、しかしそれ以上の和食のお店は思いつきません。
 そこで発想を変えて、和食のお店ではなく、いつも絶品の小鉢を連打して下さる「A」のママさんに「美味しい和食、但し揚げ物NG」で料理をお任せしてみよう、と。看板の無い隠れ家小料理店なんて年若い卒業生からしたらドキドキして楽しいだろうし、カウンター横並びはテーブルより安心だし。一人4000円で料理お任せ、自炊ではなかなか食べられない蒸し料理を私のリクエストで入れてもらうことに(飲み物代は別です)。
 今日の小鉢も幸せの一言。セロリ漬け、なめこおろし奴、蛸とゴーヤのマリネ、筑前煮、松前漬け、アスパラ肉巻きフライ、コールスロー、蓮根きんぴら、サルサソースディップ。日本酒は長崎「よこやま」(夏吟醸)。
 途中、最近時々いらっしゃるという某社会長さん(72歳をえらいこと強調)と初対面、会社神輿にマハラジャ座りが板に付いた昭和の偉いさん丸出しのテンションで例えばママさんを「お前」呼ばわりするような横柄、をそれと気づかれないよう諫めて「Aちゃん」と呼ぶよう調教している内に、何だか気に入られちゃったみたいでめちゃめちゃ飲みが進んでしまいまして。そう言えば、若い頃(20歳前後から25歳辺りまで)は小父様を転がすのが我ながら異様に巧かったもんなぁ、などという自慢にもならない当時の属性を久しぶりに思い出しました。「この俺にそんなことを言えるやつはお前だけぞ!」的な台詞、15年ぶりくらいに言われたような気がします。
 いずれにせよちょっとはしゃぎ過ぎ、明後日「A」に行く時は日本酒でも提げて行きます。