最優秀エロエロ賞

 大阪2日目。

 ホテルの朝食はコロナ対策でビュッフェ中止の定食形式、和洋選択で和食を。御飯・味噌汁・ドリンクはお代わり自由ですが「このレベル」が1980円(しかも宿泊客ご優待プライス)なのかぁ、とモニョりました(←金を落としたくない自治体に居る時は吝嗇発言しかしません)。
 エコ対策(プラごみ削減)でドリンクのストローは無し、その代わりにアイスコーヒーにマドラーがついてきました。初めてのことです(紙製のマドラーは最近よく見ますね)。

 メトロポリタン美術館の西洋絵画展示フロアが全面改修、その間にだけ門外不出の作品が一挙に外へ、要するに一生に一回レベルのチャンスだということです。『メトロポリタン美術館展 -西洋絵画の500年-』@大阪市立美術館。結論から言うと、大阪かこの後で巡回される東京か、行ける人は全員行った方が良い。すんごいから。委細は省略しますが行きゃ解る。

 流石の都会、人生のベテランを中心に平日早朝というのに凄い人出です。前が空いている絵画を中心に、順路を無視して会場内あちこちを行きつ戻りつしながら気に入った絵を中心にガン見して回る作戦。
 で、その「気に入った絵」の中で特に私の脳天に直撃した一作、展覧会の広告にも使われているカラヴァッジョ「音楽家たち」のせいで30分が溶けました。何かの物語の中に出て来る人みたいに、生まれて初めて「絵の中に入りたい!」と強く思う。以下、作品の前で妄想。
 【……うっわ、エッロ……眼エッロ……肌もエッロ……っつか弦の調律しながら口半開きて……え~、これ左端の天使以外全員人間なの? 嘘だよそんなの、これもう人間じゃないよ地に降臨遊ばした天上の方々じゃん……あ~、そいや2011年の京大入試現代文で津島佑子が言ってたわ(←妄想の展開が国語教師)、母親の民話語りは普段から耳慣れてる肉声を媒介にして異界と現実のあわいに子どもを連れて行くって……この画、あれと同じじゃん、筆が凄すぎて完全に聖俗をアモルフにしちゃってるやつじゃん境界融かしてんじゃん……あ、じゃやっぱこの音楽家たちも半分天使か神様かでいいってことだよ、だよねぇんじゃなきゃこんなエッr……うっわ、これ目の毒だわヤバいわ……っつかこの時代の人って本当にこんな風に世界が見えてたの? 信仰心があったらエヴィデーエヴィウェア眼福なの? マジか、っつんならそこ行きたいわそんな風んなりたいわっつか画の中に入りたいわ……】
 ケツが無かったらあと20分は観てました。帰福後に直行の職場会議(17時)が有難いやら憎いやら。

 特に魅了された5作品。ピエロ・ディ・コジモ「狩りの場面」、サルヴァトーレ・ローザ「自画像」、ピーデル・クラース「髑髏と羽ペンのある静物」、カラヴァッジョ「音楽家たち」、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「女占い師」。次点、フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス「ホセ・コスタ・イ・ボルネス、通称ペピート(1870年没)」。
 順位づけは無意味無粋なんですが、これをしとかないと出口のグッズ売り場で際限無くポストカードを買ってしまうので、枚数の上限を定めるためにいつもやっているのです。因みに、前述の「ペピート」は男の子の絵なんですけれども、教え子63回生のEくんに余りに似ているので、年末にあったときのお土産にすることに。Twitterで画像を送ったら「確かに似てるわ」と返信。

 新大阪に移動、お土産購入、新幹線でK市帰還。タクシーは自宅経由(旅行荷物を玄関から放り込み)で学校、17時からの会議にギリギリ間に合いました。90分超、一応、仕事もしましたよ。

 12/14も「自粛御膳」はお休み、居酒屋「もりき」にお土産を届けるまでが旅行です。
 小鉢~山芋鉄板納豆入り~味噌汁(自宅)。
 酒を飲まない(アサヒの「ドライゼロ」を2缶)なら店の滞在時間も短い、帰って湯浴みした後は、味噌汁(サバ缶・味玉・パプリカ・煮干し)を作ってSUNTORYの「オールフリー」。フリーと言い条全く自由は感じず、都合3缶飲んでもまるで酔えないってのは最早実刑です。人間ドックのある明後日の夜までは辛抱。

 中島岳志『思いがけず利他』読了、★★★。