心理

 毎年年度末にその年のベスト5、新刊・旧刊・漫画・CDアルバム、の4領域20作を公開することにしています。以下(A~Eは作者の名前の五十音順)。

 【2021年発売の新刊】
 A.エムカク『明石家さんまヒストリー』
 B.澁谷知美『日本の包茎 男の体の200年史』
 C.南陀楼綾繁『古本マニア採集帖』
 D.萩尾望都『一度きりの大泉の話』
 E.善本喜一郎『東京タイムスリップ1984⇔2021』
 1冊を選ぶならDの衝撃でしょうか。Aは今年2冊刊行、続刊も必ず買って読みます。Cの「古本マニア」の中にまっぴぃ(TQC先輩)がいらっしゃったのも個人的な思い出。

 【2020年以前発売の旧刊・文庫化等】
 A.加東大介南の島に雪が降る
 B.姜尚美『京都の中華』
 C.黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』
 D.土井善晴『一汁一菜でよいという提案』
 E.濱田研吾『俳優と戦争と活字と』
 1冊を選ぶなら生活を変えたD(本当に一汁一菜を作り始めたくらいですから)。小学生の時以来30年ぶりに読んだCの見事さには驚倒しました。

 【2021年発売の漫画】
 A.あずまきよひきこ『よつばと!
 B.アルコ『消えた初恋』
 C.迷子『プリンタニア・ニッポン』
 D.よしながふみきのう何食べた?
 E.和山やま『女の園の星』
 1冊を選ぶならE。というか、A・D・Eはもう2度以上選んでいます。

 【2021年発売のCDアルバム】
 A.折坂悠太『心理』
 B.CRAZY KEN BAND『好きなんだよ』
 C.SKYE『SKYE』
 D.宮崎美子『スティル・メロウ』
 E.矢野顕子『音楽はおくりもの』
 1作を選ぶなら(これは圧倒的に)A、「コロナ禍」を象徴する作品。

 以下、本日の日記。

 12/31(金)昼、職員室には1人。昨日同様、朝の出勤時に私が警備員さんに電話をして、校舎及び職員室の解錠をお願いしました。
 仕事納め後の12/30・31日は(上京旅行に絡まなければ)出来る限り出勤することにしています。殆ど無人の職員室で、こっそりやりたい仕事があるからです。具体的に言うと、出す予定のない2年後の(今回の場合は2023年・令和5年1月に行われる)F中・F高入試問題の作成。
 F校の入試は、以下の8種類の問題があります。
 中学(聞き取り・200字作文・語彙文法・評論・小説)
 高校(評論・小説・古典)
 中学の聞き取りと200字作文は毎年ランダムにどちらかが出題され、高校の古典は漢文の要素を含む場合があります。
 11~12月の空いた時間にその8種類を準備(本文・設問・解答欄・解答例・配点)して、年末の2日間でそれを一気に「彫琢」する(明日にでも出題出来ると自分で思える状態まで)。もう10年以上続けている営みで、毎年必ず8種類が出揃うわけではないのですが、今年は全部作れました。実際には入試は国語科全員で作成するわけですからあり得ない話ですが、或る日突然「次の入試はお前独りで全部作れ」と命じられても対応は出来ます(作った問題が国語科の検討で採用されるかはまた別の話ですが)。
 このようにして作った問題が実際の入試で使われた例も少なくはないですし、幾つかはアレンジして校内模試や中学確認テストになったこともあります。が、当然「お蔵入り」になった問題の方が圧倒的に多いです(例えば、評論・小説に関しては今後発売された新刊の中によりよい素材文があれば即座に更新され今作っている問題は「反故」になります)。
 それを承知で作っているのは偏に愉しいからで、「筋トレ」になるとか「念のため」とかいうような「功利的な」理由は二の次三の次。受験生の力や入試で問われるべき概念・論理・語彙等々を考えつつ作問をするのは、子どもの頃から「クイズ」が大好きだった(高校・大学とクイズサークルで目いっぱい楽しんだ)私にとっては仕事ではなく完全に趣味の領域です。F校教員になったいちばんの理由は「国語科恩師先生とご一緒したかったから」ですが、いちばん楽しみにしていた業務は何かと問われたら端的に「問題作成」と答えます。
 というわけで、13時に8題全ての「彫琢」が一応完了しました(それを紙に印刷して持ち帰り、読み返して更に「推敲」を続けるのが正月の愉しみ。我ながら少々キモいです)。12/30・31は仕事納め後の「延長戦」、それを昼過ぎに終えたら、あとは年末年始を飲み暮らすだけです(1/2か1/3かから出勤再開の予定)。警備員室に電話をかけて職員室・校舎の施錠をお願いし、タクシーでK市でいちばんの懐石「G」で予約していたお節料理を取りに行きました。

 14時に帰宅後、先ずはテレビの番組表とにらめっこして録画する正月番組を決めました。例えば今夜はHさん家にお呼ばれでTVを観ないので、『紅白』『年忘れ』『孤独のグルメ』『カウコン』は必ず録画します。これを消化するのが元日ですが、その元日に『孤独のグルメSeason9』の一挙放送があるというのは計算外でした。気づかぬ内に見逃していたけれどどうせいつか再放送、と思ってはいましたがまさか元日とは。それならばそれを2日に(飲んだくれながら)消化することにして、来年の初出勤は3日になりますね。

 徒歩往復30分弱のスーパーに行って食料品の買い出し。帰宅後はちょっとだけ炊事。
 刺身のザクを数種類用意して、コチュジャン和え(コチュジャン3に対してお酢・醤油・ごま油1ずつ)を作りました(刺身と一緒に和えるのはかいわれ大根と白髪葱、最後に白ごまをたっぷり)。それと缶ビール12本・日本酒1本(新潟「村祐」の秋上がり一升瓶)とを手土産に、今夜はHさん家にてパーティー。18時に、私・Hさん・ジュニア氏でお疲れ様の乾杯です(ジュニア氏ご友人が後で合流、郵便局員さんなので今日は遅くまで激務だそう)。

 12/31の「自粛御膳」お呼ばれ編@Hさん家。
 宮崎牛ステーキ・馬刺し・刺身コチュジャン和え・大根そぼろ餡掛け・がめ煮・蓮根酢漬け・年越し蕎麦。
 気づけば2ヶ月ぶりという久々の「お呼ばれ編」。TVは一切流さず只管飲み食い喋るのがHさん流らしくこれは性に合いました(諸々の番組は録画済みですが)。
 途中、私とHさんとはF校隣の「S寺」へ(住職さんへの手土産日本酒を提げて)除夜の鐘を撞きに行きました。22時40分から1分毎に1撞き、年明けまで100撞き、近所の家族連れが少しずつ集まって盛況(最後の8撞きは住職さんのおつとめ)。その戻り道、それと知っていればお寺から徒歩20分の距離にある我々の家まで鐘の音は聞こえてくるのだと初めて気づけたのは2021年最後の喜びでした。「煩悩が洗われますよね~」とか言いながらHさん家に戻ったらジュニア氏・友人氏は爆睡、寒空の下を歩いて帰ってきた我々は、眠るお二人を横目にぐてんぐてんのまま更に飲み直しでした。