「向田さん? 黒柳です」と同じ調子ではじまって、

 小説を1冊読了、自宅療養は遠出して静養気分の非日常、ですので読了本は最終日にまとめることにします。

 2/9(水)、発症から5日目、自宅療養3日目。

 6時起床、36.3℃と平熱……なんですが、月曜日に耳鼻咽喉科で処方された喉の薬(1日3回)には解熱剤の成分も含まれているようなので評価は保留です。その喉ですが、快方に向かいつつあるものの回復には遠い、という感覚。和室に置いたオイルヒーターは正に救世主で寝所は暖か。ですが、寝ている間の乾燥でどうしても喉は一歩後退する感じですね(夜にちょこ~っと飲んでるお酒については絶対に評価しない)。
 起き抜け徒然、中島みゆきの新譜(ライブアルバム)を聴きながら台所で白菜舞茸ベーコンを刻み、私と母君(お供え)との2人分の中華雑炊を作るなど、出勤日や普通の休日やでは絶対に考えられない優雅。割と前に「何に使うつもりだよ」と自分でも半笑いで購入した千切り唐辛子を「それはここぞ!」とドヤ顔で散らし、中華風なら付け合わせはメンマだと瓶詰めのやつを準備して、食べ始めてから思いの外辛めの2品が喉を煽りたくってくるのを感じ。朝風呂の後、昨日同様背広に着替えて書斎へ。

 慶應大学小論文、東大過去問のオンライン添削(答案PDF・写真を見て、メールを書いて返信)が2件。その後、昨日事務嬢さんが届けて下さった「紙」の添削を11枚(東大)。
 「紙」の場合、自宅に届くのは、設問と解答欄とが一体化した(私が作った)プリントのみで……実は、本文・解説・解答例他の資料が一切無い状態で、「記憶だけ」で添削をしています。コロナ発覚即隔離で、職場から秘蔵の「添削虎の巻(東大過去問45年分の自作解説)」を持ち出せなかったのです。普段なら絶対そんなことしませんが、今回は背に腹。
 経験の蓄積がありますんで、他大は無理ですがぶっちゃけ東大ならやれます(特技というよりはかくし芸みたいなもんです)。良い先生は真似しないでね。

 午過ぎに、学校から自宅まで、美術先生が資料(時間割関係)を自宅に届けて下さいました。リアルタイムでコロナ療養を実況中継しているFacebookをご覧になっているので届く前から予感して(恐縮して)いましたが、やっぱり資料に+αのお土産(食料)がついてきました。深謝。
 昼からは、CDをかけっぱなしにして時間割関係の仕事。現在進行形の時間割変更は、職員室の教務部長地理先生と電話・LINEのやり取りをしながら。翌日の時間割変更を生徒に示すサイネージは、職員室の私のPCを触らないと更新が出来ないので、電源をオフにして「故障中」の張り紙を事務員さんに貼っていただきました(本当は私が「故障中」なんですけれども)。

 色々な業務に関して職員室と連絡を取るために、学校に電話をかけまくっています。そのたびに、応対の事務室の方に「国語科の池ノ都です、何度も済みません」と。向田邦子に電話をかける黒柳徹子みたいになってる私、先方もウンザリしておられるでしょうから、出勤出来るようになったら菓子折くらい持っていかないといけません……と考えて気づく、事務嬢さんにもHさんにも高3担任団にも進路指導室にも、出勤時に御礼をお届けしないといけません。
 通販サイトを色々巡りながら、お送りする商品をリストアップ・注文。こういう作業に1時間とかかけられるのも、自宅軟禁の効用なんでしょうかね。そんな感じで過ごしているから、仕事らしい仕事は添削と時間割とだけなのに、9時~16時という時間が過ぎるのがあっという間です。昼食は摂らず、頂き物のお菓子をもぎゅもぎゅ。

 2/09の「静養御膳」。
 小鉢2種(湯葉揚げ・大根漬け)~湯豆腐~お粥。
 湯葉揚げは美術先生から。そして……

 ……病人気取りじゃないですけど、やっぱりこの機会に1回くらいはお粥を作っておくべきじゃないですかと、お米半合に水を600mlを火にかけて……5分経ったタイミングで郵便配達員はベルを鳴らす、でもってレターパックは直渡しだからと玄関扉の向こう局員さんがに来られたので「私、陽性者なんです!」「じゃあ、廊下に置いておきます、N様からです!」 送り主は国語科恩師先生で、封を開けば玄米と梅干しとの下賜、これで人生初のお粥が人生最高のレストランになりました。
 予て「喰い改めよ」が口癖の先生、今回の玉葉にも「乳母何時(ウーバーイーツ)」を改める時とのお言葉……ですが先生、私、先生のご存知ないところで、この梅干しを請けるお粥(あれ、逆?)を炊ける程度の人間に育っておりますのよ……と、これはお手紙を投函出来る身体になったら直ぐに認(したた)めることにします(昔から、何か出来たら直ぐにご覧に入れようとする生徒でした)。

 ヒーターで暖めた和室で21時に入眠。