5年先も あなたがいて 10年先も

 中高寮生活はTV無し(←若い子への念の為ですが、スマホタブレットで番組配信なんて時代ではないですからね)、TVっ子だった私は、母君に自宅でVHS録画(←若い子は調べてね)をお願いしていましたが、仕事を抱えた方にそう幾つも幾つもお願いする訳にはいかず番組を2つに絞りました。それが所ジョージが降板する前の『マジカル頭脳パワー!!』と『HEY!HEY!HEY!』とでした。
 後者で最も印象に残っているのはCHAMPが髙橋真梨子だった回。シングル「So in Love」が発売された頃だったので多分95年とかじゃないでしょうか。歌も最高でしたが、とにかくトークが素晴らしくて。浜ちゃん・松ちゃんの顔面比較(浜ちゃんに対する暴言)もデリケートな部分の白髪の話も面白かったけれども、凄かったのはやはり元スケバンならではの武勇伝。いけ好かない相手を馬乗りでフルボッコにした挙げ句警察に……髙橋さんの「これカット!」に浜ちゃんがすかさず「あきませんよ絶対流します!」と返した流れ(細部は朧)には腹を抱えました。VHS、確か上京の時の荷物には入ってたから、少なくとも4~5年は保管していたはずです。
 本日、初めて(で、恐らく最後)の髙橋真梨子コンサート。

 3時起床、書斎で中3テストの採点の残りを。途中、お風呂に入ったり母君へのお供えを取り替えたりと色々挟みながら、集計まで合わせて2時間半で終わりました。その後、大阪1泊2日の旅行鞄に荷物をまとめます。目的が髙橋真梨子コンサートなので、CDは勿論彼女のベスト盤。旅行鞄を持って6時の徒歩通勤。すっかり涼しくなったので、雨の日以外はタクシーを呼ぶ必要がありません。
 1~4限が中3の現代文で、これは採点済みのテストを返却した後、センター試験の過去問(或る年度の現代文100点分を丸ごと)を演習させるだけなので授業中の私は楽ちん(他のデスクワークをしながら時間を潰します)。

 半ドン業務終了後に直ぐタクシーでJRのK駅に移動、K駅近くにはあまり良い食事どころが無く、今回は新幹線の時刻までが短かったこともあり、正直あまり好きではないラーメン屋「R」に入ってやっぱり後悔。朝昼抜いても良かったのですが、今日は夕食が(ライブ後になって)遅いので一応。数日前まで心配していた台風の影響は無く、ライブは無事に決行です。一週間前の台風では福岡~大阪間が不通に、今日の台風では大阪~東京間が不通になった格好。
 新幹線は「さくら」。新大阪までならば乗り換え無しで座席が広い「さくら」を選ぶのが定石。車内では、本を読んだり、CDを聴いたり、缶コーヒーを飲みながら車窓を眺めたり(「さくら」は車内販売が無いのが欠点)。新大阪から梅田へは地下鉄の移動で、先日(お盆の矢野顕子さん)も宿泊した今回の宿は厳密には中津駅からの方が近かったというのを思い出したのは梅田で降りた後でした。チェックイン、入浴、着替えたらそのまま出発(ホテル近くでタクシーを捕まえて会場まで)。これで、ライブ開演15分前に到着するというギリギリのスケジュールです。
 フェスティバルホールは、入場口まで上がるエスカレーターがとんでもなく長くて、周囲から必ず驚きの声が聞こえてきます。
 
 2022/09/24、『Mariko Takahashi Concert vol.44 2022 our Days -Last Date-』@フェスティバルホール大阪。
01.ありがとう
02.遥かな人へ
03.ジョニィへの伝言
04.五番街のマリーへ
05.陽かげりの街
06.桃色吐息
07.ごめんね・・・
08.OLD TIME JAZZ
09.Unforgettable
10.EVERYTIME I FEEL YOUR HEART -君と生きたい-
(休憩10分)
11.やさしい夢
12.はがゆい唇
13.フレンズ
14.オレンヂ(SINGLE VERSION)
15.この気分が好きよ
16.for you...
17.アナタの横顔
18.愛する人へのメッセージ
19.海色の風〜君住む場所へ〜
(終演)
EC01.グランパ
EC02.The Road

 男性だけの専属バックバンドに本人、宮殿風のセットは後半からスクリーンに。「聴かせる」ライブで振り付け等がある曲は少なく、基本的には直立のセンターマイク歌唱、長いMCは開始時・終盤・アンコール中に各1回ずつ。
 73歳のラストツアー(中島みゆきと同じで、ツアーはラストでもコンサートやディナーショーは続く模様)、3000人の会場は土日2公演とも満席。客層は演者と同世代が多いながら、幕開けやアンコールでは総立ちで腕を振り上げる盛り上がりです。
 髙橋さんの歌声は(全盛期とはいかないんでしょうが)素晴らしく、枯れも掠れもせずに21曲を歌いこなされました。ベスト盤レベルの初心者は、ヒット曲以外にも素敵な歌がたくさんあることを知り感激です。そして、失礼ながら声量で殴るタイプで歌声は1色だと思っていたのですが、生で聴いたら曲ごとの声質がこんなに多彩だったのかと驚かされました(曲によっては「これ、髙橋真梨子の声なの?」と訝しく思えたほど)。
 「ホールが満席にならなくなる前に退きたい(大意)」という御本人の言葉ですが、まだまだ声は出そうなだけに「ラスト」というのは惜しく、逆に歌以外の部分における体力的にはもう限界なのだろうというのも想像できました。何度があった舞台上の移動は「歩行」という語で形容したほうが良いもので、数曲だけ見られたボックスのような振り付けもかなり厳しい。大きく膨らんだスカートを衣装に選んだのは、足の運びが観客に見えないようにするためなんじゃないかな、など邪推。何より、歌以外の部分(MC)の滑舌が危ない。歌声とそれ以外とのギャップは最早『モニタリング』なんじゃないかと思うくらい。つまり、舞台人生としてはほぼ完全燃焼なんでしょうね。本当に恰好いい。
 年末は既にディナーショーが幾つも組まれており5万円のテーブルはどこも完売。人気があり過ぎて難しいかもしれないけれど、いつかビルボードライブとかに登板なさる日は来ないかなぁ、とか(1時間2ステージとかなら余裕だと思います。コアなファンはどんだけでも払うでしょうし)。

 ただ、一点だけ残念だったのは、終演後の規制退場に過半の観客が全く従わず出口殺到だったこと。何度も何度もアナウンスされていたのをここまで無視できるなんて、この人たちは本当に歌を聴いていたのかしら? と不審になりました。大人しく待ってる側の客は苦笑いで、ホールスタッフは諦め顔。
 大阪人の「いらち」なのかな? とも思いましたが、同じコロナ後の大阪でも矢野顕子野田秀樹ではこうではなかった。緞帳の向こう側の髙橋さんが気づいておられないことを願います。翌日の公演が嫌になっちゃうんじゃないかという程に醜い光景でした。
 会場前でタクシーを捕まえてホテル近く(梅田駅・茶屋町口)に移動して、予約しておいた居酒屋「H」へ。

 9/24は「自粛御膳」をお休み、茶屋町の居酒屋「H」で読書独酌。
 小鉢~海鮮ユッケ〜ホッケ焼き〜ウニオンザ煮卵。
 料理はまぁまぁ、日本酒50蔵の揃いは魅力的。大学生らしきホール担当の男女2人も感じが良かったんですが、お店の接客マニュアル自体が残念な感じみたいでしたね。すぐ近くの合コン10人が五月蝿すぎた(私の入店15分で帰ってくれるまで一切マスクを外せなかった)のも運が悪かったなぁ。今日は、大阪の嫌な人種を2度も見せつけられました。
 結局、1時間弱で店を出てホテルでコンビニ惣菜の飲み直し。