PUZZLE めいた 路地を曲がり やっと探し当てた

 ホテル起床7時、チェックアウトの後、ホテル1階のレストランでバイキングの朝食。
 中野駅から天王寺駅は直通、今いる府市にはお金を落としたくないのですが、美術館の誘惑に負けました。「あべのハルカス」初訪問、その中の「あべのハルカス美術館」で行われていた特別展『超絶技巧、未来へ!』へ。
 「京都三年坂美術館」の協力下で、明治時代の超絶技巧と、そのDNAを受け継いだ現代芸術家の作品とを並列展示するという企画。「ホキ美術館」の立体造形バージョン、という感じでしょうかね。「超絶技巧」好きが「三年坂」と訊けば真っ先に想起するであろう杉野光晴「林檎」が見られなかったのは残念ですが(一回ググって下さい、驚愕しますから)、それでも木彫漆工陶磁牙彫刺繍絵画七宝金工水墨……というありとあらゆる素材技法が目眩めく。例えば木彫なら、一枚板着色無し(!)で蝶の羽の模様からその横に輝く水滴まで表現するような技巧に瞠目です。そして、まっぴぃおススメの本郷真也氏(金工)の作品は確かに素晴らしかった(現代アートは写真OKでしたので、接写してまっぴぃにお届けしました)。

 「新歌舞伎座」に移動して、舞台『パラサイト』を鑑賞。
 寄生する側は、父・古田新太、母・江口のりこ、兄・宮沢氷魚、妹・伊藤沙莉。される側は、夫・山内圭哉、妻・真木よう子、家政婦・キムラ緑子。どんだけ豪華なんだ、という面々です。演出の鄭義信の作品については、前回K市で初めて観た『てなもんや三文オペラ』がイマイチだった(ギャグが滑りがちだった)のが引っ掛かっていましたが(前作も今作も原案原作の舞台を関西に置き換えた作品だというのが共通しています)、今回は出演者が軒並み擽り上手な芸達者だった(宮沢氷魚だけがちょっと初々しかったくらいな)ので無理なく笑えました(観客の多くが大阪人だったというの観客の熱気の違いもあるのかも)。前後半の2部制にしたのはこの作品にピッタリ……と書くだけならネタバレにはなりませんよね(映画と舞台とでは、土地だけではなく人物設定にも割と大きな違いがあります)。あと、キムラ緑子が凄かった。いや〜、観て良かった。
 しかし、大阪のホール・劇場に行くたびに、観客の民度の低さにげんなりするのも事実。開演前も後も舞台を撮るなってアホほど言われてるのにオッサンオバハンがぱしゃぱしゃ撮ってるし、ちょっと前まであった規制退場なんてのも殆ど守らないし。

 JRで京都駅に移動、駅前のタクシー乗り場は100mくらいの行列だったので、バスでホテルまで移動しました(夕方16時の段階ではまだバスが機能していました)。チェックイン、入浴。17時半の時点でフロントに確認したらタクシーは不可能(どこも出払っている)ということだったので、ホテル(堀川五条)から先斗町へもバスで移動。

 本日は、宵山の四条を積極的に無視して、ただ夜に先斗町で飲む(お相手は67回生Mさん)ためだけの京都泊。カウンター2席を(前月25日から可能な電話予約で)押さえた「酒亭 ばんから」は、2時間強の滞在で何組ものノーリザーブが断られる人気店でした。
 瓶ビール(赤星)が税込880円の価格帯。日本酒は京都の蔵が一揃いと、他に日替わり手書きメニューとが壁にかかっており全国から幅広く。「日本酒チャレンジ」未踏破が一蔵あったのは嬉しかったです。料理は旬の物を上品な味つけで、一つずつの分量も少なく、お酒主役の縁の下。後厄下山中の分際が背伸びしてギリギリ入れる、くらいの敷居でした。満足。
 699蔵目・京都「神蔵」(純米大吟醸 無濾過・無加水・生酒 流通限定「七曜」 飲食店様リミテッドエディション)。

 2軒目はMさん案内の居酒屋……でしたが店名失念、と言うよりかぶっちゃけ最後の方は記憶が曖昧。翌日電話で聞いたら「普通に帰られてましたよ」という優しいお言葉でしたが、さてどうだか。
 さて、67回生Mさんは、外進高1Aの時に私が担任を務め、その後は理系から京大農学部。向こうからのお誘いでお会いしたのですが、近況報告以外に相談したいこと……というのが将来の(就職的な意味の)進路ということで「だから、人生において就活を一度もしたことがない人間にどうしてそういう相談をしようと思うわけよ!」とこれは普通にツッコみましたね。ただ、お話を聞くくらいはできますので、まぁ専ら聞き役でした。