夏が来る 影が立つ あなたに会いたい

 午前中指定の通販日本酒が届くまで書斎で仕事、その後で自宅徒歩15分の「星野珈琲」で読書(コーヒーのみ)、近くのスーパーマーケット「H」で食材を買い込んで帰宅。その後、リハビリ出勤で午後の学校、時間割関係の仕事と授業準備とを。
 仕事中に、K市内の郵便局から電話。上京中に「ジュンク堂本店」から配送手続きをした本の扱いを問う電話が掛かってきました。来ない来ない何かの手違いかと心配していたのですが、マンションの宅配ボックスが故障で使用不可能になっていたため配達できていなかったそうで、どうやら私がその時の不在連絡票を他の郵便物と一緒に捨ててしまっていたよう。明日の午後の再配達をお願いしました。

 18時の待ち合わせで、野菜料理とイタリアンのお店「B」へ。70回生Fくんとサシ飲みに誘われました。67回生で現在宮医5年のお兄さんの方とは(私が高1で担任を務めたご縁もあって)、宮崎旅行のたびに会って飲んでるんですけど、弟くん(20歳になったばかり)とは初めて。というか、私は70回生で副担任だったものの在学中のFくんとはそこまで確りとお話ししたことがなく、膝を交えてというのは今日が初めてです(Fくんの方からは、卒業時に丁寧なお手紙を頂いていますが)。
 現在、ハンガリーの大学に進学して情報工学を学んでいるFくん。F高卒業後の昨秋9月に大学に入学して、次の9月から2年生に進学です(今は夏休み帰省)。ハンガリーの大学に進学する日本人は最近増えているそうですがF校からは稀、現在は63回生Nくん・67回生Yくんが医学部に在学中ですが、情報工学のFくんとは別の大学です。充実の裏に孤独を抱えた生活だとのこと。勿論聞かせて頂くお話は面白い(珍しい)ものばかり。街並みの美しさを味わう1時間の徒歩通学(観光客向けの国会議事堂ライトアップもすっかり見飽きてしまったという贅沢)のこと、ウクライナ出身の友人とのシェアハウスでの色々、ついつい前のめりで聞き入ってしまいました。

 さて、入店後に最初のドリンクを注文する段の話。私はいつものように瓶ビール(グラス1つ)で即決だったのですが、少し迷った後でFくんが選んだのは芋焼酎。あら珍しいタイプ、ですけどこの「B」は芋焼酎の揃いが凄いからお好きな人だったら銘柄で迷ったりするかも、と思いつつメニューを開いてお渡ししたら、Fくん、「これだけ知ってます」と黒霧島を選択。マスターも「もっと珍しいのもありますけど……」と心得ない顔です。届いてから「最初が焼酎っての、珍しいね」と話したら、「そうなんですか?」とキョトン顔の反応。で、訊けばFくん、実はお酒を殆ど飲んだことが無い(あちらの国でワインを1回飲んだことがあるだけだ)という事実が判明。本邦初飲酒のほぼデビュー戦でいきなり芋焼酎(ロック)かよ、と慌ててチェイサーを注文しました。えっとね、お酒1、水2~3くらいのつもりで行きましょうね。
 その後は作戦を変更。Fくんの方にはソフトドリンクを注文して、私がビール、白ワイン、日本酒……と色々注文しながら、その味見程度のお裾分けをFくんにお渡しするスタイルに。ちゃんぽん得意な人間、って褒められたもんじゃありませんけどたまには役に立つことがあるのね。

 何が心配だったかって、Fくん、実は自転車で来てるんですよ。福岡市からK市まで、酷暑の日中を何十キロもペダル漕いで。
 ……と書きますと、おいおいじゃあ今夜はK市に宿泊か、それとも何十キロも自転車押して帰るんか、となります(飲酒運転絶対ダメ)。が、実はもう一つ方法がありまして。私も実際にそのシステムを使う人を初めて見たんですけれども、西鉄電車の特急、今、予約をしたら自転車乗り入れOKの車両が出来てるんですね(乗車運賃に、持ち込み料300円をプラスするだけ)。「サイクルトレイン」というサービス。Fくん、丁度、待ち合わせから3時間後の特急電車に事前に予約を入れていたそうです。
 2時間半ほどお話をした後で「B」を出て、西鉄まで二人で(Fくんは自転車を押して)歩きました。自転車を抱えて改札のある2階までの階段を上るFくん、駅員さんに予約証明を見せてから自転車ごと改札を潜るFくん、を見送ってお別れ(見送ってというよりも興味本位の野次馬って感じでしたが)。自宅最寄り駅から自宅までは(自転車を押して歩いても)すぐなんだそうです。因みに、お別れの後で駅員さんに「このシステム、使ってる人、多いんですか?」と聞いたら、サービス開始直後はそこそこいたけれども直ぐに落ち着いたということでした。
 Fくんからは、無事に到着したというLINEが後から。一緒に、お土産のつもりで持ってきた品物を渡しそびれたことへのお詫びが書いてありました。