彼は全身で、いつもの夜と同じように自然にしてほしいと語っている。

 5時前起床、入浴、雨天の中を徒歩出勤。始業前は板書準備と時間割業務。1~5限がセンター演習で、本日は10年本試験の小説、中沢けい『楽隊のうさぎ』。出題された当時は「中学入試頻出の小説をセンターに出すなんて」と問題が批判されたり「それだけ受験生のレベルが下がっているのだ」と世代が非難されたりしてましたが、どっこいそう簡単に点の取れる問題ではありません(問い方次第で力のある18歳19歳の国語力を弁別出来る出典です)。今日の高3、平均点は8割弱、満点の人数は全体の1割です。6限以降は添削や明日の授業の板書準備、放課後には国語科の長い会議がありました。

 帰宅後は自炊。キムチ鍋の出汁の残りで雑炊(具材は白菜・舞茸・油揚げ)。鯛カマの煮付けは近所の魚屋で調理済みのものを購入(半分を温めて、残り半分はタッパーへ)。山かけ納豆、白菜の美味酢漬け。

 授業を機に、中沢けい『楽隊のうさぎ』を久々に開きました。高校生だったか大学生だったかの頃に読み始めてすぐに投げ出した(暗いよ! ってなって)本、大人になってからのリベンジです。記憶の通り、全国の中学校の先生はよくこんな暗いのを入試に採用しようと思うよなぁ、というシーンが続きます。私は楽器が演奏出来ず音楽が分からないので、演奏シーンについては「多分リアルなんだろうなぁ」という想像しか出来ないのですが、中1が同じ中1をいじめるシーンの「リアル」については嫌になるくらいよくわかります(行為のえげつなさと口調の幼さと!)。
 センター試験の問2では「ばらばらだった音が、一つの音楽にまとまる」という部分に傍線を引いてその説明を要求しており、誤答選択肢の中で「まとまる」を「精妙に組み合わされる」と説明している一つがちょっと浮いている気がしていたのですが、作中別の場所で作者中沢氏自身が用いていた表現なのだと知りました。成程。