なんでも来いの わたしたちの明日

 今日は1~5限で高3のセンター演習授業。05年の吉田喜重(昨年没)『小津安二郎の反映画』を扱いました。現高3(72回生)の正式な授業としては最終回になりますので、ご挨拶代わりにちょっとした思い出話などを披露したり、邪道なことも少し。1学期・2学期の授業を通して彼らはこれまで44題の問題(評論・小説合わせて)を解いたのですが、その全ての平均点(50点満点)の上位者一覧を配布したら、興味深く眺めている生徒が少なからずでした(やっぱり、お好きですねぇ)。学年トップの生徒は平均が44点を超えています。
 定時の17時過ぎに学校を出て、目的地まで歩こうと思ったら方向が同じ事務嬢さんが車に乗せて下さいました。K市中央部の「文化ホール」は、事務嬢さんのご自宅マンションから徒歩5分の場所にあります。
 
 森山良子『My Story2023』。
 ①Eternally ②メドレー(雨上がりのサンバ~思い出のグリーン・グラス~恋はみずいろ~禁じられた恋~悲しき天使) ③この広い野原いっぱい ④Ale Ale Ale ⑤さよならの夏 ⑥あなたが好きで ⑦さとうきび畑 ⑧ゴロワーズを吸ったことがあるかい ⑨On the Sunny Side of the Street ⑩My Blue Heaven ⑪Moon River ⑫家族写真 ⑬ユー・レイズ・ミー・アップ ⑭今

 口元で回すオルゴールの音色に合わせてチャップリンの「Eternally」を歌うパフォーマンスはライブの恒例(私が生で観るのは3回目)ながら、今回はノーマイクの歌唱を響かせ冒頭から1000人満席の観客(人生のベテラン率高し)の度肝を抜きました。19歳のデビューから57年、走り続けて衰え知らずの歌声は昔より高音のキーが高くなっているほど(クラシック歌唱に加え、今年からジャズ歌唱のトレーニングも始め、来年は大江千里と組んだ日本語ジャズのアルバムを発表するとか)。但し、最近の舞台でお洒落スニーカーを愛用しているのはハイヒールで2時間超が持たなくなった(以前のライブで我慢できず途中から裸足になった)ためだそう。
 ファンに人気の近作「Ale Ale Ale」は映像撮影許可、物忘れがテーマのコミカルな歌ですが歌詞は長く複雑で、覚えるのも口をまめらせる(←福岡方言)のも大変そうです。それに続くMCの曲紹介(全ての曲のタイトルを観客に教えて下さるのは誠実なサービスだと思います)で「ちょっと季節外れなんですけど……」と聞いた瞬間にガッツポーズをしそうになりました、初めて生で聴けた「さよならの夏」はやはり素晴らしかった(この曲に関しては私は『コクリコ坂』の手嶌葵より元祖を推します)。1部最後の「さとうきび畑」では涙の観客も。
 従兄弟ムッシュかまやつのカバー「ゴロワーズ」は最新シングル、そして「My Blue Heaven」は近年発掘された森山久(良子さんの父親であるジャズトランぺッター)の歌声とデュエットという趣向。森山久はサッチモの親友で、森山家には2人でトランペットを吹く姿を9歳のムッシュが撮った写真が残っているそう。コンサートの最後は、記念日に何もプレゼントをくれない家族(森山直太朗)が唯一贈ってくれたという50周年記念の楽曲「今」でした。

 コンサートでは、私のほぼまん前の席が偶然63回生某くんのお母さまで、8年ぶりにご挨拶・お話を。某くんは63回生我ら文系A組の中でも特に行く末が気になっている内の1人(12日の日記の「某くん」とは別人)なのですが、母子とも変わりなくと聞けて少しホッとしました。今週は、何だか63回生づいてますね。

 コンサート会場近くでタクシーを拾い、そのまま「もりき」へ。看板の電気が消えていたので何事かと思ったのですが、鴨の予約で満席だったそう。私の到着は20時半と遅く、丁度カウンターの客が全てはけた直後というタイミングでした。コロナ休業期間を除けば、過去15年間でも最長レベルではないかという「ご無沙汰」をお詫びして、今日はお金を使うぞ! と下品な宣言。料理は刺盛りと鍋焼きうどんとだけでしたが、鍋焼きには鴨のつみれを使ってもらい、ビールの後の日本酒も「豊盃」~「千羽鶴」~「乾坤一」~「勝駒」~「王禄」と選りすぐりました。
 帰宅後、冷奴で軽く飲み直してから就寝。明日は完全年休で、一日遊び倒す予定を組んでいます。