徹底した理知ならば必ず人間らしいものになる

 5時入りで残っていた課題テスト採点を終わらせ(1時間半)、残りで授業準備。第1回定期考査(5月中旬)で出題する書き手は全て決めており、授業で扱う順に鈴木忠志、梨木香歩、林達夫、内山節、西垣通岩井克人。怒濤の評論6連発、教科書教材は後ろの3人だけで、どれも指導書無視して各2時間で終わらせるつもり。定期試験では当然、6人6様の文章(の抜粋)から共通点や相違点を検討しつつ、最終的に6つの文章から浮かび上がってくる「近代」の定義を考えるという手順を踏ませます。授業本文に関係する資料を毎回配布する(200人中1割~2割でも読んでくれたら御の字だと思っている)んですが、その準備も西原理恵子内田樹渡辺一夫森博嗣藤子不二雄……と浮かんでくる文章(やマンガ)をコピーして切り貼りして……やばい、楽しい! 現代文、いいっ!

 授業もね、何をこんなに早口で喋ってんだこのオッサンは、という生徒のキョトン顔を他所にただただひたすら私が楽しいばかりでごめんなさい。取り敢えず、あなた方生徒の理解度がどうとかそういう細やかなことを考え始めるのはちょっと後に回させてね、今はこの鈴木忠志が言ってる(浅田彰の「シラケつつノル」にインスパイアされた)「敗者の頑張り」ってのの説明が楽しくて楽しくて仕方がないの、ってテンションで一日を終える。実際、この「敗者の頑張り」を実地で生きた人達から順に受験にも合格していくんですけれどもね。

 さて、放課後、数人のクラス生徒と駄弁。盛り上げ系の2人を中心に話し合うのは、月末の「男く祭」(F高文化祭)のクラス対抗コーラス大会で何を歌うのかというもの。選曲から勝負は始まっている! 高2Aは男子44人で美声の女子がいない上、他の男クラ(50人超)と比べて人数も少ない、以上担任のお前も参加して歌わんかいとなり私も会議に身が入る……ってのに。
 盛り上げ2人が暴走して選曲客船暗礁に乗り上げまくり。何だよ合唱「アイヌのウポポ」て。「貧窮問答歌」て。曲折経てこのままでは男45人で「おおシャンゼリゼ」に決まってしまう、誰か助けて!