20年たっても どこかの道に座ってる

 折坂悠太『あなたは私と話した事があるだろうか』読了、★★★★★。8月の弾き語りライブで唯一曲名が分からなかった曲が、「正気」という(凄まじい)タイトルの新曲だったことが分かりました。「私は本気です 戦争しないです」という歌詞を初めて聞いた時にはびっくりしましたが、エッセイにご本人も一度(頭の中で)ボツを出しかけた「宣言」だと書いておられました。あと、私は折坂氏の作品を「浄念」の歌だと思っているのですが、氏は「生きてる私の表現で塗り替える」と(まぁ、「洗う」なんて言わないですよねぇ)。

 休みの国の1991年のライブ映像がYouTubeに出ていて(凄いですね)、アンコールの「悪魔素取金愚」のドラムをゲストのつのだ☆ひろが叩いているところを観ました。高橋照幸が演奏前のMCで「ドアーズの曲かな?」と言っていたのは結構なリップサービス。高橋氏の外見を見たのは初めてだったのですが、山田康雄みたいでしたね。

 徒歩出勤、校内模試の採点を粛々と。平均得点率は37%で「例年並み」ということに。日曜日に受験する校外生に関しては、現役生を下回ったら「やや悪い」という評価になりますが、さて。
 午後は授業準備他のデスクワーク。お昼休みには、学校近くのスーパーで食料の買い出し。平川食品の温泉とうふ・温泉とうふ用調理水(加熱すると白く濁ります)がスーパーで買えるというのは佐賀県のご近所ならではなのかな。

 17時過ぎに自宅を徒歩で出発、30分程歩いて「シティプラザ」へ。近くの喫茶で20分ほど時間をつぶしてから、プラザ3階の演芸場へ向かいました。
 勤務校の非常勤陶芸先生が席亭のお友達というご縁で、立川生志の独演会『還暦落語会』へ。生で落語を聴くのは久しぶりで、立川流は初めてです。談志が生前最後に真打と認めた落語家なのだそうで、私は知らなかったのですが(福岡出身なので)ローカルのテレビ・ラジオ番組に出演多数なのだとか。
 テレビでは絶対NG、ラジオでも認められないという毒舌で、ホークスやイノッチやをけちょんけちょんに腐す時事ネタ枕が30分、その後「反対俥」、休憩を挟んで「紺屋高尾」という構成。「紺屋高尾」は、生志氏が高校生の時に談志が演っているのを観て感激したネタだそう。
 長く二日市に住んでおられた生志氏曰く「二日市の人間は県内を南下しない」。K市なんて縁もゆかりもない人生……のはずだったのに、20年前から何度も何度もK市で落語会を開いておられるその理由が熱かった。20年前のF中3年生が卒業論文で落語をテーマに選び、縁あって生志(当時は「笑志」)氏に密着取材・インタビューを行いました。某放送局の名を冠した賞を受賞したその卒論、赴任初年度の私も覚えている56回生Uくんの『落語は現代に生き残れるか』がK市に落語を呼んだんですね。

 終演後は歩いて小料理屋「U」に。社員旅行で沖縄に行かれたという女将さんに泡盛のお土産を頂きました。多謝。そう言えば、私、後輩数学先生(高3担当)に、72回生現高3を卒業させたら春休みに沖縄旅行に行こうと前々から持ち掛けてて、かなり本気で言ってるんですけど、向こうには伝わってるのかしら。オムレツ、鶏唐揚げ、茶碗蒸し。